第142回検討会概要《治療と仕事の両立支援~復職過程における対応を中心に》
前の記事 |開催概要
日 時:2026年3月7日(土)14:00-17:00
場 所:エッサム神田ホール2号館
特別講演:治療と仕事の両立支援~復職過程における対応を中心に
担 当:石﨑 由希子 先生(横浜国立大学)
抄 録:「治療と仕事の両立支援」は重要な政策課題であるとともに経営課題であるが、このうち、病気休職からの復職過程にある労働者に対し、いかなる配慮をどこまで行うべきかは、実務上悩ましい問題といえる。本報告では、復職過程において生じた法的紛争を取り上げながら、関係者はどのような対応をとるべきか、特に、産業医をはじめとする医師はどのように関与することが求められるかを明らかにすることを目的とする。この目的のため、はじめに、裁判所がどのような判断枠組みの下で復職可能性を判断しているか、障害を抱える労働者との関係で要請される合理的配慮の提供義務がこの問題にどのように影響を与えているか(与えうるか)を確認する。次に、企業が復職の可否を見極めるに際しては、医学的な観点からの検討が不可欠といえるところ、医師の診断を信用できない場合や医師の間でも意見が分かれるような場合において、どのように対応することが求められるかを検討する。
総合討論:治療と仕事の両立支援に対する産業医の立場・現場からの論点提示
ファシリテーター:黒田 玲子 先生(東京大学)
概 要:総合討論では、事前アンケートをもとに、両立支援制度の運用や合理的配慮との重なり・相違、メンタルヘルス不調者への対応について活発な議論が行われた。石崎先生からも適宜コメントが加えられ、実務に即した示唆が共有された。参加者の議論では、メンタルヘルス不調の社員における両立支援対応において、「気分障害」と「感情から派生する反応(適応障害)」については、感情の背景となる要因を整理したうえで対応を検討する視点が示された。今後の両立支援を産業保健現場で進めるにあたり、判断の整理に資する活発な議論が行われた。