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第143回検討会概要《ストレスチェック外部機関における医師面接指導の状況

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開催概要

日 時:2026年4月9日(木)19:00-20:30
場 所:オンライン討議

研究動向:ストレスチェック外部機関における医師面接指導の状況

発表者:深澤 健二 先生(アドバンテッジリスクマネジメント)
抄 録:ストレスチェック制度の外部機関における医師面接指導の実態を紹介する。 約230万人、1600社(事業所)を対象にストレスチェックを実施した。2024年度の医師面接指導数は、1171件であった。医師面接指導の実施数は減少傾向にあるが、40才以上の割合の増加が認められた。面接実施者の13.6%は面接指導時点で主治医がおらず精神科・心療内科等への受診を新たに勧奨された。14.3%は既に精神科・心療内科等の主治医がおり受診継続を勧奨された。結果的に、面接実施者の27.9%(約4人に1人)はメンタルヘルス不調に対して要医療の状態であった。なお、面接実施者の8.7%は精神科・心療内科等への通院歴を有していたが、既に通院を終了していた。2年連続して医師面接指導を実施した面接実施者の割合は15.2%であり、2年連続で約5ポイント増加した。ストレス要因が前回と同一であった事例も散見されたことから、昨年の面接指導結果を参考にした事後措置や職場環境改善が奏功されていない状態であることや、医師面接指導後のフォローアップ不足が懸念される。

総合討論

ファシリテーター:坂本 宣明 先生(ヘルスデザイン株式会社)
概 要:ストレスチェックにおける医師面接に関する総合討議を行った。面接に要した時間の最頻値は「面接30分・意見書記入5分」であり、所要時間の一つの目安になると考えられる。 次に、面接において「(産業医としての)役割の範疇を超えていると感じる場面」として、人事・処遇への不満、ハラスメント、家族に関する悩みなどが挙げられた。これらへの対応や意見書への記載判断は医師ごとに多様である実態が浮き彫りになった。さらに、 2028年から予定されている従業員50人未満の事業場へのストレスチェック実施義務化に向けた課題について議論した。産業医不在の事業場では外部医師が面接を行うため、現場実態の把握不足や不適切な措置につながるリスクが懸念される。これに対し、事業者や事務従事者との密な連携に加え、医師がストレスの背景や職場環境上の課題を整理し、事業者へ的確に情報提供を行う必要性が指摘された。小規模事業場におけるストレスチェック実施を見据え、今後も討議を重ねていきたい。