- Am J Prev Med, Online ahead of print 2026.
Leisure-time and occupational physical activity and risk of long-term sickness absence from mental disorders: a prospective cohort study.
Kuwahara K , Nakagawa T, Yamamoto S, Honda T, Goto A, Konishi M, Mizoue T.
解説スライドはこちら
精神疾患は、働く人の長期疾病休業の主たる原因ですが、余暇の運動や仕事中の身体活動との関連は十分に明らかになっていません。本研究では、J-ECOHスタディの運動疫学サブコホートに参加した20~59歳の労働者38,120名を対象に、余暇および仕事中の身体活動と精神疾患による長期疾病休業(30日以上)との関連を前向きに調べました。身体活動は健康診断時の問診で評価し、精神疾患による長期疾病休業は医師の診断書に基づき把握しました。解析では、年齢、性別、婚姻、仕事関連要因、生活習慣、抑うつ症状、仕事のストレスなどを調整しました。
その結果、平均9.2年間の追跡期間中に1,032名が精神疾患による長期疾病休業を経験しました。余暇に運動をしていない人と比べて、身体活動ガイドラインの推奨量に満たない少量の運動をしている人でも、長期疾病休業のリスクが28%低い結果となりました。この関連は、うつ病による休職で特に関連が明瞭でした(傾向性P値=0.029)。また、座り仕事が中心の人と比べて、仕事中の身体活動が多い人ほどリスクが低く、かなり体を動かす仕事の人では50%低い結果となりました。本研究より、余暇の少量の運動が精神疾患による長期疾病休業のリスク低下に関連することが示されました。一方、仕事中の身体活動についてもリスクの上昇は認められず、仕事中の身体活動は健康によくないという「身体活動パラドックス」仮説は支持されませんでした。