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業績PUBLICATION

  • Occupational Medicine, 2026 Jul. Online ahead of print  
Incidence of long-term sickness absence in Japan following the COVID-19 pandemic.
Inoue Y, Kochi T, Gommori N, Miyamoto T, Yamamoto M, Okazaki H, Ide H, Nakagawa T, Honda T, Yamamoto S, Yamamoto K, Konishi M, Kabe I, Dohi S, Mizoue T.

本論文の概要をスライドにまとめました。出典「J-ECOHスタディ」と記載のうえ、事業所での健康教育、学会、研修会等でご活用ください。

解説スライドはこちら

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、感染そのものだけでなく、働き方や生活習慣、人との交流にも大きな変化をもたらしました。こうした変化は、労働者の健康や病気による休職にも影響した可能性があります。
本研究では、職域多施設研究(J-ECOHスタディ)の長期病休登録データを用いて、日本の企業8社の労働者を対象に、2012年4月から2022年12月までの長期病休の発生状況を調べました。長期病休は、連続30日以上の病気休業と定義しました。コロナ禍以前のデータから2020年2月以降の発生率を予測し、実際の発生率と比較しました。
解析の結果、全ての原因疾患による長期病休は、流行初期の2020年5月には予測より少なかった一方で、その後の2020年10月、2021年10月、2022年7月には予測より多くなっていました。特に精神疾患による長期病休は、2020年秋以降に予測を上回る月がみられ、全体として比較的高い水準で推移していました。一方、精神疾患以外の疾患による長期病休は、大きな逸脱は少なく、比較的低い水準で推移していました。
流行初期の減少には、在宅勤務により体調不良があっても就業を続けやすくなったことや、受診控えの影響が関係している可能性があります。その後の精神疾患による長期病休の増加は、生活環境の変化、感染への不安、社会的交流の制限などが、労働者のメンタルヘルスに影響したことを反映している可能性があります。本研究は、パンデミックの影響が流行初期に限らず、その後も労働者の健康、とくにメンタルヘルスに及びうることを示唆しています。感染症流行や社会的危機への備えには、感染対策に加え、長期的なメンタルヘルス支援や職域での健康モニタリングが重要であることを示唆しています。